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子どもが遊ぶための「余白」をどう作る? おおたとしまさ氏を迎えたTOKYO PLAY10周年大感謝祭

子どもが遊ぶための「余白」をどう作る? おおたとしまさ氏を迎えたTOKYO PLAY10周年大感謝祭
子どもが遊ぶための「余白」をどう作る? おおたとしまさ氏を迎えたTOKYO PLAY10周年大感謝祭

全国から170人を超える参加者が集まった10周年の感謝祭

子どもの遊ぶ権利が保障される社会をめざして活動する一般社団法人TOKYO PLAY(代表:嶋村 仁志)が、2026年10月31日、サイボウズ株式会社東京オフィスで「TOKYO PLAY10周年大感謝祭!!!」を開きました。ゲストは教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏です。市民・行政・企業とともに歩んできたTOKYO PLAYの“これまで”と“これから”をテーマに、日本全国から170人を超える人が参加しました。会場では登壇者、参加者、TOKYO PLAYのメンバーが入り混じり、活発に意見を交わしました。

当日のプログラムは次のとおりです。

  • 第一部(13:30〜16:30、進行:青木 将幸 氏):代表理事 嶋村 仁志によるホストメッセージ、おおた としまさ 氏・矢野 真利那(TOKYO PLAY)・青木 将幸 氏による基調雑談、これまでの10年をみんなで振り返るフラッシュリレートーク、これからの10年をみんなで考えるテーブルトーク
  • 第二部(17:00〜19:00):懇親会

幕開けは、嶋村代表理事のあいさつ。30年以上前から子どもと遊びに関わってきた嶋村氏は、イギリスで子どもたちの遊ぶ権利を守る団体「London Play」と出会い、遊ぶことの価値を社会全体に広げようとTOKYO PLAYを立ち上げました。「遊びはインフラ」とLondon Playで教わって以来、みちあそび、遊び場の人材育成、とうきょうプレイデー、インクルーシブな遊び場づくり、子どもの意見聴取、自主出版や冊子の作成などに取り組んできたと振り返りつつ、掲げてきた『すべての子どもが豊かに遊べる東京』『Play Friendly Tokyo』の実現は「まだはるかに遠い」と語りました。2026年7月末に出した「遊びのマニフェスト」第2弾は、政策提言に本格的に向かうための宣言文でもあり、これからの10年は「遊ぶ権利」を社会のしくみにするところにアプローチしていきたいと話しました。さらに、目的や根拠を簡単に求められてしまうAI時代だからこそ、遊びを通して人間らしい感覚を育てることが必要だという考えも示しました。

子どもが遊ぶための「余白」をどう作る? おおたとしまさ氏を迎えたTOKYO PLAY10周年大感謝祭

基調雑談のテーマは子どもの暮らしの「余白」

基調雑談には、10月に『余白と贈与で子は育つ』(集英社新書)を出したばかりのおおた氏、ファシリテーターの青木氏、TOKYO PLAY事務局長の矢野氏が登壇しました。おおた氏は、幼児教育から中学受験、思春期教育、不登校、教育格差、家族問題などまで、90冊以上の著書をもつ教育ジャーナリストです。おおた氏の『子どもの体験 学びと格差』(文春新書)に感銘を受けたという矢野氏は、その批判がTOKYO PLAYの価値観と同じだと感じたといいます。

おおた氏は、この10年、子どもたちが「学力だけでなく非認知能力も」という行きすぎた能力主義社会に適応させられようとしており、本来は子どもの権利である「体験」や「遊び」までもが能力を伸ばす“武器”として捉えられていると指摘。矢野氏は、遊びや体験はどこでも起こりうるものだとして、お金が介在する体験格差をなくす以前に、体験そのものの捉え方を変えたいと語りました。

話題は本のキーワードである「余白」へ。おおた氏は、子どもが遊ぶには目的・期限・評価が決められていない時間と空間が必要で、大人は社会のルールを守ろうとするスイッチを意識的に低くし、子どもたちの力を信頼しなければならないと話しました。矢野氏は、余白は意図して作れないからこそ、まちの中に余白が生まれるシステムが必要だと述べ、道を歩行者天国にして遊び空間をつくる「みちあそび」では、大人たちから「やってみたらめちゃくちゃ楽しかった」という感想がよく出ることも紹介しました。

子どもが遊ぶための「余白」をどう作る? おおたとしまさ氏を迎えたTOKYO PLAY10周年大感謝祭

11人のリレートークと“なりきり理事会”でこれからを考える

フラッシュリレートークでは、TOKYO PLAYの取り組みに関わってきた11人が、会場や動画でこれまでの歩みをプレイバックしました。2016年の法人設立と同じ年に始まった「みちあそび」の伴走支援、渋谷区の「どこでも運動場プロジェクト」、2020年に完成した砧公園の国内初のインクルーシブな遊び場「みんなのひろば」、狛江市の子どもの権利条例づくりなど、話題はさまざま。登壇者には、官民で協働してきた自治体職員も含まれていました。狛江市の西村 亜輝彦氏は動画メッセージで、子どもの声を聞きながら条文を作り、子どもたちが「これ、ぼくの意見だ!」と喜んでくれたことがうれしかったと振り返りました。

締めくくりは、登壇者と参加者、メンバーが理事になりきって話し合う“なりきり理事会”。参加者からもテーマを募り、「自治体がこども計画に盛り込み、変革してくれるようにどうアプローチするか?」など7つのテーマで、十数人ずつのグループに分かれて1時間弱対話しました。各グループの記録は、今後の活動の材料にするとしています。嶋村代表理事は最後に、2050年には子ども一人当たりの大人の数がほぼ10人になるといわれるなか、子どもは関わり合いの中でしか育たないとして、これからの時代に“あそぶ”は重要なキーワードになると語りました。

クラウドファンディングは11月7日まで

TOKYO PLAYは現在、『遊びのマニフェスト』を自治体・議会・関係省庁に届け、次の「こども計画」に子どもの遊びを書き込んでもらうことをめざしたクラウドファンディングを実施しています。

  • 期間:2026年10月7日(水)〜11月7日(土)
  • 目標:ファーストゴール150万円/セカンドゴール300万円

出典:一般社団法人TOKYO PLAY